動物プランクトンのFLDS

助教の平井です。自身初のの動物プランクトンのウイルス論文がMicrobes and environments誌で公開されました。
RNAウイルスを効率的に検出可能なFLDS(Urayama et al. 2016)という手法を動物プランクトン群集に初めて導入した研究です。

小さなチューブに入れ凍結した動物プランクトン群集から、約200もの新規ウイルスが検出されています。

これまで着目されていない動物プランクトンですが、海洋ウイルス多様性のリザーバーとして重要な役割を持つ可能性があります。

RNAウイルスが動物プランクトンにたらす生態学的意義、動物プランクトンのウイルスの進化など分からないことだらけですが、まずは”たくさんの種類のウイルスがいる”という単純かつ重要なことが分かった第一歩の研究です。

 

たしか最初に共著者の長崎さんに声をかけてもらい高知で話し合い、白鳳丸航海でサンプリングをしたのは2016年。時間はかかったものの、共著者の方々に多大な協力をいただき形にできました。ウイルスは本当に奥が深くて、正直全然勉強が足りません。少しずつですが、動物プランクトンのウイルス研究を進めていければ。論文はオープンアクセスなので、興味のある方は是非ご覧ください。

 


Hirai J , Urayama S, Takaki Y, Hirai M, Nagasaki K, Nunoura T (2022) RNA virosphere in a marine zooplankton community in the subtropical western North Pacific. Microbes and Environments, 37: ME21066.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsme2/37/5/37_ME21066/_article

2022年01月04日