プレスリリース2

平井です。
久米さんとの論文に続き、鹿児島大学の小針さんが筆頭著者の共著論文の成果がプレスリースされました。

https://www.kagoshima-u.ac.jp/topics/2021/12/post-1858.html

黒潮域で動物プランクトンの消化管内容物のメタバーコーディング解析を行っています。

これまで見過ごされていたゼラチナス動物プランクトンの重要性、動物プランクトンの分類群間の細かな食性の差が示されており、非常に読み応えのある論文です。多くの種から丁寧にデータをとることで黒潮域のように複雑な海域でも餌資源の分割があることが分かり、この食物網構造が水産重要種の仔魚期の成長を支えていると考えられます。また、黒潮域は動物プランクトンの種多様性が高い海域ですが、この餌資源の分割が多様性維持にも大きな役割を果たしている可能性もあります。論文公開までの道のりはなかなか大変だったのですが・・・それを含めて成果が公表されたことを嬉しく思います。

Kobari T, Tokumo Y, Sato I, Kume G, Hirai J (2021) Metabarcoding analysis of trophic sources and linkages in the plankton community of the Kuroshio and neighboring waters. Scientific Reports, 11: 23265 .

 

2021年12月10日