東京大学理学系研究科生物科学専攻の修士・博士課程大学院生を受け入れています。大気海洋研究所では、例年3月にインターンシップを、5月から6月、10月から11月に進学ガイダンスを行っています。

 また、研究室訪問を随時受け付けておりますので、底生生物分野のページをご覧ください。研究内容に関しては、狩野宛に直接メールでお問い合わせ下さい(kano_aori.u-tokyo.ac.jp,underscoreをatに)。


現在、特に下記4つの内容に興味のある大学院生を募集しております。

貝類を含む底生無脊椎動物に関する、その他の課題にも対応可能です。

また、日本学術振興会の特別研究員PDを歓迎いたします。


1)超深海から漸深海帯の生物地理と進化

 水深10,000メートル級の海溝最深部には、どのような動物がどこから進出してきたのか? 本州・東北沖から千島海溝にかけての巻貝試料を用いた、分子および形態の解析による世界最深の動物地理研究です紹介記事。調査航海への参加可能性あり。


2)深海化学合成群集動物の進化と生態

 深海の温泉周辺に生息する特異な動物群集のうち、化石記録が豊富な貝類について、分子系統樹の構築と形態、現生/絶滅群の対比により、生態的放散の歴史を推定します。また、幼生の飼育と、酸素同位体比・元素分析により、浮遊期の挙動を調べます(紹介記事)。ラボワークが中心の国際共同研究。


3)両側回遊をおこなう川の貝

 沖縄以南の熱帯・亜熱帯の島では、川にたくさんの巻貝やエビが住んでおり、多くは海と川を行き来する回遊性です。淡水貝の幼生が海のプランクトンとして数千キロを旅し、変態後には何キロもの距離を歩いて、時にはヒッチハイクして遡るなど、生態的・進化学的に発見の多い課題です紹介記事。海外を含む河川での調査を予定しています。


4)海から陸への進出

 陸生の巻貝、かたつむりは、極めて多くの独立系統(多系統群)からなります。この海から陸への進出が何度おきたか、淡水環境を経由したのか、どのような形態・生態が陸上進出に適応的であるのか、陸上進出の後いかに分散したかなど、多くの研究課題があります(紹介記事)。山、川、海での採集と系統解析が中心です。


当研究室で扱う課題は、いずれも下記キーワードの複数を含みます。

 自然史、種分類、進化、生態、行動、比較解剖、化石、古生態、標本、貝殻、酸素同位体比、殻体元素比、年輪、分子系統樹、生物地理、分布、多様性、 幼生、回遊、採集、 飼育、 河川、干潟、生態的放散、捕食・被捕食、命名規約、新種、熱帯、 深海、化学合成群集